あの日、出会ったのが間違いだったのかもしれないと、時々思うことがある。
その人は、私が風邪を引いたことを聞いたのだろう。夕方時分になってやってきた。
「それよりも、貴女に風邪が移らないうちに帰られた方が……」
そんな私の言葉なんぞは、彼女の耳には入らなかったか、もしくは通り抜けてしまったのだろう。
だが、彼女にはわかっているのだろうか。
熱で多少体力が落ちているとはいえ、たった一人で男の家に上がるのがどれほどに無防備なのか。
呆気にとられて彼女をみすみす自宅に招きいれた自分の迂闊さを呪いたい。いや、むしろ罵りたい。
熱を測るためと額に添えられた手とか、心配そうに見つめてくる瞳とか!
どれだけ人の理性を試せば気が済むんだと、できる事なら叫んでしまいたい。
自室が完全防音ではない事を少し後悔した。が、そんな事になったら、自分の理性は決壊していただろう事に気づき、色々と猛省した。3分ほど。
室内に自分のため息だけがこだまする。
この下がらないネツを誰のせいにすればいいやら。
私は氷枕に額を押し付けて、煩悩が少しは冷えてくれないかと願った。
副題『だって、男の子だもん。』
相手はご想像にお任せします。
そして、理性が決壊したのか否かも、ご想像にお任せします(笑)
コメント by くろすけ。 — 2009/02/13 @ 00:23