「投影開始」
青年の手の内に、黒と白の夫婦剣が現れる。
魔法使いになってから、呼び出せるようになったこの剣の扱いには一通り慣れた。
だからといって、未だ戦場に立てるレベルではないことを知っているし、何より立つつもりはない。
万が一の時に、誰かの盾になれるくらいで丁度いい。
「ふっ!」
先日、春蘭の戦いを見ていたので、それをイメージしながら身体を動かしてゆく。
斬撃を躱す事など叶わず、双剣で打ち払うのが精一杯だ。それすらも後何合かという状態である。
「……イメージに叩きのめされました」
さすが曹魏の大剣と言うべきだろうか。
は少し凹みながら、持ってきていた水に手を伸ばした。
「さて、今日もお仕事に行きますかね」
「ここに居たのね、」
「華琳。春蘭と秋蘭も休憩か?」
掛けられた声に振り返れば、この国の主と、その側近二人がやってきていた。
「ええ、少し時間が取れたの。午後から街へ出るから、案内なさい」
「了解。凪、真桜、沙和。後は任せる」
「はい、隊長」
警備を3人に任せると、華琳の方へ歩み寄る。
「それで今日はどこへ?」
「服を仕立てに」
「新しい店が何軒か出来ている。そちらへ行こうか。……っと、その前に昼食にしても?」
「あら、の奢り?」
「部下にタカるな……と言いたいところだが、女性に払わせる方が問題ありそうだな」
「よくわかっているじゃない」
「華琳のお勧めとかあるか?」
食べ物関係で彼女が絡むと、行ける店が減る可能性も否定できないのである。
「そうね。こっちよ」
「Yes,my master.」
こんな感じでコッソリと鍛錬をくり返したりしてます。
コメント by くろすけ。 — 2011/01/29 @ 00:15